ソーチェンの基礎知識
ソーチェーンとは「チェンソーの刃」のことです。
ソーチェーン(チェンソーの刃)は、木材を削るカッターと駆動力を受け止めるドライブリンクとがタイストラップを使ってリベットでつながれた構成になっています。ソーチェンでは右カッター、左カッターが交互に並びます。ドライブリンクにはバー全体にチェンオイルを潤滑させる機能もあります。ガイドバーの溝(ゲージ)にドライブリンクの突起を差し込み、ソーチェーンを巻きつけて本体と接続します。
ソーチェーンには主に4つの規格があり、ガイドバーやチェーンソーの規格と一致させ使用します。
- チェーンタイプ
カッターの形状
- ピッチ
3個の連続したリベットの距離を2で割った数値
- ゲージ
バーの溝幅、もしくはドライブリンクの厚み
- ドライブリンク数
ソーチェーンの長さを測る単位。ソーチェーン1周のドライブリンクの数(刃の数ではない)
ソーチェーン+ガイドバー

ソーチェーン

ガイドバー

「チェンソーのメーカー」と「ソーチェーンのメーカー」について
国内メーカーのほとんどのチェンソーはオレゴン製のソーチェーンが純正装備されています。
チェンソーメーカー | ソーチェーンメーカー |
---|---|
ECHO | オレゴン製 |
共立(やまびこ) | オレゴン製 |
新ダイワ(やまびこ) | オレゴン製 |
ゼノア | オレゴン製 |
マキタ | オレゴン製 |
リョービ | オレゴン製 |
東芝 | オレゴン製 |
日立工機 | オレゴン製 |
日工タナカ | オレゴン製 |
シングウ | オレゴン製 |
ヤンマー | オレゴン製 |
BIG-M(丸山) | オレゴン製 |
ドルマー | オレゴン製 |
ホームライト | オレゴン製 |
ハスクバーナ | ハスクバーナ製 |
スチール | スチール製 |
チェンソー(本体)メーカーは様々ありますが、ソーチェーンのメーカーは、オレゴン、ハスクバーナ、スチールの3社がほとんどを占めています。
ハスクバーナ製、スチール製のソーチェーンであっても、オレゴン製のソーチェーンと互換性があります。
ソーチェーンの構造
ソーチェーンの構成パーツ

カッター部位

カッターの並び方

チェーンピッチ
チェーンのサイズを決める単位です。3個の連続したリベットの距離を2で割った数値のことを示します。

ソーチェーンのピッチ値は主に4つの規格のいずれかに該当します。
1/4".325"3/8".404"チェーンゲージ
ドライブリンクの厚さのことで、ガイドバーの厚み部分にある溝の幅に適合しています。

ソーチェーンのゲージ幅は主に4つの規格のいずれかに該当します。
.043” (1.1 mm).050" (1.3 mm).058" (1.5 mm).063" (1.6 mm)※ハーベスター用
.063" (1.6 mm).080" (2 mm).122" (3.1 mm)ソーチェーンの交換時期について
下記のような状態になった際には、ソーチェーンの交換をお奨めします。
- ソーチェーンの切れ味が著しく悪くなった
- 目立てをしても切れ味が復活しにくくなった
- 目立てにより刃が大分すり減ってしまった
- 刃の形が変形してきた
- カッター上刃とデプス上先端との高低差(デプスゲージ※)がなくなった
- ドライブリンクが曲がっている
- ドライブリンクに摩耗・破損がみられる
- タイストラップに摩耗・破損がみられる
- リベットに破損がある
※デプスゲージとは
カッターが木に食い込む深さを調整する役割があり、「デプスゲージの上先端」と、「カッター上刃の上端」の高さの差がゼロに近くなるほど切れなくなります。
デプスゲージの上先端と、カッター上刃の上端間の距離の差は0.64mmが適切とされています。デプスゲージを調整するツール(デプスゲージジョインター)を使用し、目立てを行うことで適切な高さに調整できます。

ソーチェーンの適合品の選び方
手元にソーチェーンのある方
▼「ソーチェン選び方ガイド」をご確認ください。


手元にソーチェーンのない方
チェンソーとガイドバーを手掛かりにソーチェーンを特定する必要があります。
- ・チェーンピッチ
- ・チェーンゲージ幅
- ・チェーンタイプ(カッターの種類/チェン1周あたりのカッターの個数)
- ・ドライブリンク数
- ・ガイドバー、チェンソー本体との適合